日本におけるVWのフラッグシップ車というポジショニング
ヨーロッパで最も売れているミドルクラスサルーン&ワゴンのVWパサート。その圧倒的に大きな母体を背景に、今後はさらなるスペシャリティ市場も見込めると踏んだのだろう。4ドアセダンだがクーペのようにスタイリッシュで高性能なサルーンCC(コンフォートクーペの略)をリリースした。ご覧の通り、M・ベンツCLSクラスを少し小さくしたような、VWにしては相当にスタイリッシュなモデルだ。背が低いだけでなく、トレッドも拡げられているから、走りにも期待できる。
日本仕様としては2グレード用意された。FFの2l直噴ターボ&6速ATと、4WD(4モーション)の3.6l直噴V6&6速DSGである。後者は価格的にも600万円を超えており、フェートン未導入の日本市場にあっては実質的に乗用モデルのフラッグシップというわけだ。ちなみに、3.6lV6+6速DSG+4モーションというパッケージングは、パサートバリアントR36と同じもの。ただし、走りのキャラクターは変えてある。
間違いなく、パサートCCの魅力はスタイリングの格好よさだろう。切れそうなくらいエッジの効いたサイドラインが、流麗なシルエットをさらに印象深く演出している。個人的には、外見と同じくらい気に入ったのがインテリアだ。コクピットのデザインこそノーマルのパサートとほとんど同じ(メーターパネルが異なる)だが、シートのデザインやカラーコーディネート、使われているマテリアルがいい。両グレードともにスペシャリティカーとして十分に通用するレベルに仕立てられている。HDDナビシステムは標準。V6モデルのトリムはウッドタイプ。
さらに、V6にはアダプティブクルーズコントロールやディナウディオの高性能AVシステム、フロントモニタリングシステム、といった先進装備も満載されている。そもそものメカニズムの違いに加えて、これだけの装備が標準でつき価格差100万円というのは、そもそも500万円の2lFFモデルが高いか安いかを別にすれば、かなりお買い得な気がしてならない。どうせ買うなら、頑張ってV6を、と言いたい。
走りに関しても、V6&4モーション&DSGが圧倒的に強力だし、余裕があるし、現代的で新しい。このパフォーマンスの差だけでも100万円差に頷けるかも。ワインディングではちょっとしたスポーツカーならかもれるくらいに俊敏だし、DSGの恩恵もあってギアチェンジを繰り返してのスポーツドライビングも楽しい。さらには高速道路においても、抜群の直進安定性を誇る余裕のグランドツーリングカーとして存分に使える。場面によってはM・ベンツCLS350を上回る実力の持ち主だ。難点は街中での硬さ。もっとも、節々の効いた走りは最新モデルの傾向でもあるが。
対して2l+FF+6ATはといえば、街中こそ乗り味しなやかに、そしてスムースな変速で、実用車としても申し分ない実力を見せてくれるものの、ここイッパツの加速や、高い速度域でのしなやかさに劣っている。ノーマルパサートに近い印象だが、トレッドが広いぶんだけ非力さがストレートに伝わってくるのだ。もう少しパワーがあれば、ノーズの軽さを利用した軽快な走りも楽しめそうなものだが。もっとも、スタイリングと居心地の良さが楽しめればそれでいいクルマと言うこともできる。その場合は、2lでも十分だ。
VWパサートCCは実力派の一台である反面、どこかボッタクリ過ぎ!!
パサートCC3.6で500万円±5万円、CC2.0で410万円ならガラリと印象が変わり、本国価格に等しいだけでなくバリューフォアマネーの王者として孤高の境地を築けるだけに大いに惜しまれます。
ところで小生自身がVWパサート・シリーズ中で最も惹かれる一台はパサートV6 4モーションの4ドアセダンです。何でも同車、Youtubeのビデオにアウトバーンにて時速280km/hをメーター読みでマークする動画が掲載されたことがあり(※目下削除済み)、メーター誤差を補正しても270±5km/hに達している筈だから公表値246km/hを大幅に上回っているだけでなくリミッターを解除した程度であれだけの(4.2Lのマセラティ・クアトロポルテ並み!)伸びを示すVW製ロングストローク3189ccのV6直噴エンジン(最高出力250ps、最大トルク33.6kgm)の底力に心底してやられた格好です!!
このV6、CO2量が233g/kmと今となってはアウディA8 4.2の219g/kmにさえも譲るなど一世代前の存在になりつつある現状ですが後継ユニットたる2.0の直噴ターボにも数種類のチューンを設け、燃費・クリーン度・燃焼効率で再び世界の最先端に出ることを期待しております!