筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

カタチも乗り味も新しい三菱i

Posted at Thu Feb 16 18:27:22 2006

動き出してスグに違いが感じられる

リアミッドシップレイアウトってコンセプトは、実は‘90年代にはあったそうな。サイズの小さな軽自動車の場合、前にエンジンがあるとどうしても前方の衝突安全性能向上に限界があるわけです。硬い物体が人間のすぐ前にあるわけですから、衝撃吸収もへったくれもない。となるとスマートのように、エンジンを後ろに搭載する方が良いのかもしれません。あとボディ骨格を上手くやれば、安全性能は上がる。

とはいえゼロからこのクルマを造るには、相当に勇気がいったはずです。と同時に、一連の事件があって、生まれ変わった三菱をアピールするには、これほどいい素材はない、と。リアミッドシップであれば、絶対にカタチは新しくなりますから。

面白いことに、全く新しいコンセプトを後押ししてくれたのは、ダイムラー側の人間だったそう。パッケージングに未来が見えたんでしょうね。それでもって、ほぼデザイン完成ってときに、ちょっと待った!と叫んだのも、別のダイムラー人間だったとか。スマートと似ているって思ったんでしょう。実際、スマートフォーフォーなんかはこれで出したほうが良かったと思うし。

結局、デザインをちょっと変えて出てきたのがコレ。相当に“新しい”感じがします。なんか期待できる雰囲気ってあるじゃないですか。iにはありますね、それ。コイツやったらなんかやってくれそうやん、って感じ。

ただ、がっかりしたのは、インテリアの質感。はっきり言って、最近の軽は素晴らしいですから。内装。MRワゴンにしても、それから安いエッセにしても、よう頑張ってます。それから比べると、デザインはともかく質感は相当にダメ。フィアットパンダクラスだな。形がいいだけに、惜しい!!

乗り味はね、動き出してスグに新しいって思えるのがいいですよ。腰から下がスーッとリニアに加速する。クルマってやっぱり押してもらったほうが気持ちいいんです。乗ってる側からすると。前から引っ張られるのって違和感ある。馬車っぽくって、自分で運転している感じじゃない。そう、iなら乗馬感覚がありますから。コーナーでの安定感も印象に残りました。ドライバーに忠実なのが心地いい。乗り心地も悪くありません。

ターボモデルだけのラインナップということで、ちょっと高い軽自動車に見られがちですが、秋にはノンターボも出るんだそう。走りの面ではターボモデルがいいと思いますが、このカタチをフツウに気楽に楽しみたいって方は、もうちょっと待った方がいいかもしれませんね。

     

Photo Collection

写真:こだわりたっぷり

こだわりたっぷり

フロントウィンドウやワイパーは、このデザインを実現させるために専用開発された。球面のようなガラスで、歪みのない視界を確保するのが大変だったという。近未来的なデザインには愛嬌もある?

写真:万が一に備えています

万が一に備えています

オフセット衝突実験に用いられた車両が記者発表会では展示されていた。短いフロントノーズだが効率的に衝撃を吸収し、乗員を守ってくれる。このような事故に巻き込まれないようにするのが一番だが

写真:シートポジションは高め

シートポジションは高め

リアにエンジンを搭載しているため、後席乗員のシートポジションは一般的な軽自動車よりも高く感じる。ユニークなのはボディ床下で、フルフロアアンダーカバーを装着し空気の流れを整えている

写真:リアミッドシップです

リアミッドシップです

まったく新しく設計された直3ターボエンジンは、吸気バルブの開閉タイミングを連続可変させるもの。これをリアに納めるために、45度傾けて搭載している。秋にはNAエンジンもラインナップされる予定

写真:ちょっぴり残念でした

ちょっぴり残念でした

内外装ともにユニークかつ無理のないデザインにまとまっている。ちょっと残念だったのは内装の質感。プラスチックを採用するのはイイが、もう少し素材にこだわって欲しい。まぁ、価格との兼ね合いだろうが