京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
史上最強のコルベット。いやあ、たまらんですな。マジでやばいですよ、コレ。とりあえず、もう既に完売で何より。まだ残ってるなんて言われたら、真剣に購入を考えちゃうトコでした。
“アメリカンマッスルに乗ったで!”という感動も十二分に味わえて、しかも基本的な取り扱いにがっかりしない。キチンと曲がるし、キチンと止まる。コストパフォーマンスも最強なスーパースポーツです。
フツウのコルベットと何が違うか。カタチは見てのとおり。でっかく穴の開いた面構えに膨らんだフェンダー、そして大型のリアスポイラーにマフラーなどなど。しかも、ボンネットとフェンダーはカーボン製で、ルーフもカーボン&マグネシウム(ただし固定式ね。ノーマルは脱着可能)。前には18インチ、後ろには19インチの10スポークアルミホイールを履き、でっかいブレーキシステムが顔を覗かせています。
それだけでもう心はシャカリキモードなのに、聞いてあきれたのが骨格。なんとバックボーンフレーム方式そのものはノーマルと同じなんだけど、使用素材をスチールからアルミニウムに変更!剛性アップと60kgの軽量に成功してるって言うんだから、驚きますな。
そして、エンジン!7L V8OHVで511psでっせ!!。手作業組み立ての逸品。LS7という名前にピンときた人は相当な「アメ車」好きです。でもね、こいつはスモールブロック。もちろん6MTはトランスアクスル方式です。コルベットのハイパワーバージョンというよりも、レース用C5−Rのロードゴーイングと言ったほうが判りやすいぐらいです。
さてさて、そのお味のほどは…。
キーを回した瞬間から、もうただもんじゃありません。今どき、火が入った瞬間に人間から前が身震いするぐらいにパワフルさ剥き出しのクルマなんて!続いて、野太く勇ましいサウンド。つられて心臓がどっくんどっくん。
決して扱いにくくはありません。拍子抜けするぐらい、フツウに走り出します。少々荒く踏み込んでも、昔の7Lモデルみたいにホイルスピンして前へ進まないなんてこと、ありませんから。その代わり、トルクにのって加速する様は、“速い”を通り越して“怖い”。絶対的に速いというより、音やクルマの所作や大量の空気を吸い込んで吐く雰囲気など、取り巻く全てが未経験で速い。加速は永遠に続くかのようです。
クルマのがっちり感は、この力強さと若干トレードオフしていますね。ノーマルよりも明らかに強い骨格のはずですが、それ以上のパワーを与えられて、やっぱり「アメ車」らしさが出るというか。でも、コルベットなんですから、そういう感じがないことには存在の意味がありません。お見事なのが、ブレーキフィール。きっちり気持ちよく自然に減速してくれます。
いやあ、このご時世にこんな大排気量エンジンにまた乗れるなんて!それだけで大感動。クライスラー300CのSRT−8が6.1Lでしょう、そしてコルベットZ06が7L。めいっぱい燃やす内燃機関は、やっぱり気分がいいですなあ。ホントたまりません!