筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

ドイツで乗ったレクサスLS:Part2

Posted at Wed Aug 16 18:37:18 2006

無味無臭さ加減こそがレクサスアイデンティティ?

いまどきクルマを運転するのが楽しくてしょうがないなんて人…、ボクを含めてわずかですやん?どっちかというと、運転なんて面倒でストレスでうっとおしいもんだと思います。そう思っている人には、ホンマ最高なクルマなんですね。何てったってドライブを終えてハンドルから手を離してドアを開けてクルマから出た途端、運転していたことなんて見事にキレイさっぱり忘れられますから。直ぐ仕事でも何でもできる感じ。

そういう意味ではBMW7シリーズの対極にあるし、アウディA8やM・ベンツSクラスさえも方向違い。何やかんや言うて、アウディにもベンツにも運転していて気持ちええなあって瞬間ありますから。それが高いクルマのアカシやったりするんです。そうゆうの、レクサスLSにはまるでありません。

精神的、肉体的苦痛が一切伴わない、っていうかな。駆け抜ける歓びも疲れるってことじゃ、一緒ですしね。まだ生産プロトタイプで6割程度の仕上がりやったらしいけれど、それでもその完成度。市販モデルが楽しみ。レクサスの目指すべきは、この無味無臭さ加減ですよ。極めればええのです。誰もが毎日安心して飲める水。レシピどおり、カロリー計算どおりの健康食。そんな感じ。

念のため、クルマ好き風にも評価しておきます。

5タイプ(前回ご紹介した)乗ったうち、最も“セルシオ”(笑)らしかったのがE。日本では買えませんが、多くの北米ユーザーが選ぶグレードでしょう。賢者の選択っぽい。えらくいい乗り味です。セルシオらしいという意味で。結局、代替ユーザーの声、無視するわけにはいかんかったのでしょうね。インテリアのデザインとか、すっごい保守的。はっきり言って、内装にはがっかりしましたなぁ。

個人的には日本のSとなるBよりもAの方が良かった。それもダンロップタイヤではなくブリジストンの方。ダンロップタイヤを履く仕様は18も19も、ステアリングフィールはいいけれど街乗り時にフロアから微振動が出るのが嫌。一方のブルジストンは柔らかめの乗り心地でセルシオ、ちゃう、LSに合っています。

驚いたのが、200km/hオーバー域での安定感。これは、Sクラス以上かも。かなり電気仕掛けが効いていて、正体不明の安定感なんだけど、250km/h近くまで出してもまるで手に汗握らないのが驚き。そこからのブレーキ姿勢も素晴らしい。まあ環境重視の今の時代、そこまで出す人…、欧州でも少ないでしょうけどね。

ということで、どんな人にオススメかまとめておきましょう。

1:現セルシオユーザー。ご安心ください。立派にセルシオしてい
ます。トランク狭く見えるのが心配ですが。
2:所謂、クルマ好きでない人で日本の最高級車が欲しい人。
  センチュリーなんて実は、クルマ好きのためのクルマ。
3:もうクルマの運転(ただし公道)に楽しみを見出せないけれ
ど、速く移動したい方。パーソナル新幹線として。
4:どうでもいいからいっちゃんええの持って来い、という方。
  早く乗れば目立つと思います。
5:VIPカー好きに自慢したい方。早めにドレスアップすると尚効
果大。

そんなもんかな。とにかく、移動手段としてのクルマの完成度は高いと思いますね。この無味無臭さ加減がレクサススタンダードになれば面白いし、そうじゃないドイツプレミアムブランドの領域を目指すんだ、というのであれば、全車ハイブリッドにして独自のドライブ感(運転する楽しみ、みたいな)を見出す必要があると思います。

     

Photo Collection

写真:レクサスの旗艦らしい大きさ

レクサスの旗艦らしい大きさ

ヨーロッパモデルのボディサイズは全長5030mm、全幅1875mm、全高1465mm、という威風堂々としたボディサイズを誇る。ホイールは18と19インチが用意される

写真:ここまで隠す必要あるの?

ここまで隠す必要あるの?

4.6L V8エンジンは最高出力380ps/6400rpm、最大トルク493Nm/4100rpmを誇る。エンジンルームは全てが覆われていて、オーナーは触る余地なし?

写真:日本モデルもこうして欲しい

日本モデルもこうして欲しい

試乗したヨーロッパモデルのスピードメーターは280km/hまで刻まれるのに、残念ながら日本仕様は180km/hまで。輸入車から乗り換える人には物足りない印象になる?

写真:至極の贅沢移動空間

至極の贅沢移動空間

LS460投入後、ハイブリッドモデルも追加される。こちらはロングホイールベースで、こんな車内になるという。VIP用送迎車としての需要をしっかり満たすことでしょう

写真:フツーでも十分寛げる

フツーでも十分寛げる

試乗したフツーのLS460でもこんなに寛げます。ちょっと弱いんですが、マッサージ機能も付いています。自分で運転するよりも、運転されるほうがイイかなぁ(笑)