筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

三菱ランサーエボリューションMR追加

Posted at Wed Aug 30 10:01:02 2006

集大成は大人な感じでエンスーな乗り物に進化

やっぱりインプレッサWRXとランサーエボリューションは、日本が産んだ2Lターボマシンのスーパースターやね。世界中のほとんどの一般道(信号ナシの直線とかを除いて)で最強になれますよ。日本のクルマ好きはもちろん、海外のカーマニアもそのことをよく知っています。

で、ランサーエボリューションIXのMR。「MR」ってのはミツビシ・レーシングの頭文字で、伝統的に三菱車の最高峰スポーツモデルに与えられる称号です。ランサーエボリューションではVIIIに次いで2代目のMRです。ラリーやダートトラックといったモータースポーツを主眼に開発されてきたのがランサーエボリューションなんですが、MRは“ターマック”、つまりは舗装路を意識したモデル。オフよりオン重視のセッティングになっています。

ランサーエボリューションIX MRのポイントは以下のとおり:

1:パワー&トルクの数字は変わらないけど、レスポンスがアップした4G63エンジン。(ちなみに’80年のギャランVR4時代から続くこの名機は、今回で最後の登板。パワーアップや環境対策等もかなりしんどくなってきた。これにてお役御免ということで、さようなら4G63です)
2:新たにEIBACH製コイルスプリングを採用。ビルシュタイン製ダンパーに組み合わせた。
3:車高はターマックを意識して約10mmのローダウン化。
4:オンロードの旋回性能を高めるため、スーパーAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)をよりスポーティにチューニング。
5:外観変更はわずか…、フロントエアダム形状ぐらい。
6:ピアノブラックのセンターパネル、メッキ仕上げのドアインナーハンドル、ロゴ入りアルミスカッフプレート、などで飾ったインテリア…、はっきり言ってショボいけど。
7:ワゴンにもMRが設定されたが、セダン同様にエンジンと内外装関係をセッティング。ただし足回りの変更ナシ。

要するに‘92年10月に登場した14年目を迎えるランエボシリーズの集大成、ってわけですな。もうそう聞くだけで凄そうじゃない?乗ったらもっと、凄かった!面白いですねえ、やっぱり。素人に毛が生えた程度のボクでも、けっこうなペースで走れますよ。3周ぐらいはプロに追い越されずにすみましたし。

スロットレーシングあるじゃないですか?あんな感じで走るんですよ。コーナーでもスピードが落ちずに、ぐいぐい曲がっていく感じ。運転の上手い下手を超えたところでそう思わせるから、やっぱりこいつは最終兵器だわ。特に競技用ベースのRS。GSRが6速MTなのに対してこっちは5速MTでトルクが若干上なんだけど、フロントにちょっとした補強パーツが入っていたのと相まって、もうぎゅいぎゅい曲がる。恐ろしいぐらいに内向く。背中に駒背負ってるんかと思うぐらいに、曲がる。

その上、エンジンレスポンスが強烈!パワーも十二分だから、タイトコーナーで立ち上がったと思ったら、姿勢を落ち着ける間もなくすっ飛ぶ。続けていると気持ち悪いぐらい。ハンドルとペダルに触っているのはまぎれも無くボクだけど、クルマが勝手に走ってる感じ。ちなみに、もっと驚いたことが1つ。それだけがむしゃらに走っていても、けっこう乗り手は落ち着いているんだよねぇ。これ静粛性と乗り心地の向上が効いているんです。ワゴン同様のNVH対策が施されたんですって。

え?軟弱なランサーエボリューションだって?そう思う人もいるでしょうねえ。でも、ボクはやっとランサーエボリューションがオトナになってくれたって、素直に喜んでいます。ガッシャガシャのギッチギチなランサーエボリューションで、いつでもアドレナリンを出しまくりたい人、つまりは汗かきドライブを楽しみたい人は、従来のランサーエボリューションをどうぞ。それこそエボIからエボIXまで、元気なランエボが中古車市場には揃っていますから!

最後の最後で、インプレッサWRX並みに大人な雰囲気たっぷりのエンスーな乗り物になりました。ランサーエボリューションIX MR試乗後の素直な感想です。

     

Photo Collection

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外観はランサーエボリューションIXとほぼ変わりません。フロントバンパーの形状を見直すことで、リフトを軽減しているという。ボディカラーは全4色をラインナップする

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連続可変バルブタイミングを見直したほか、ターボチャージャーのタービンホイールをチタンアルミ合金に変更。パワーアウトプットは変わらないが、レスポンスが向上した

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フロントバンパー下の凹形状は、車体側面の気流を意図的に剥離させている。これによってホイールハウス内にこもる空気を排除。140km/h以上でしか効果はないが…

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フロントシートはホールド性の高いレカロ製のフルバケット。クルマは本当に振り回せるので、このくらいのシートが必要だ。アルカンターラと本革が組み合わされている

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インテリアの率直な感想はちょっとショボい。オーナメント類をピアノブラックにすることで、プレミアム感を演出しているというが…。でも値段を考えれば、凄いマシンだ