筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

メタルトップのロードスター

Posted at Tue Sep 19 18:10:48 2006

いわゆる“メタルルーフ”を得てクーペにもなる

マツダロードスターに流行りのCC(クーペ&カブリオレ)仕様が追加されました。賛否両論あるでしょうね。ロードスターが好きやった人はほとんど、「そんなんいらんワ」って言うだろうし。ただでさえデカくなってきたのに、重いルーフまで付けてどーすんねん、みたいな。そういう硬派な意見(ボクは“ロードスター原理主義”って言うてます)も判らんことないんですが、僕は大賛成です。「パワーリトラクタブルハードトップ」=PRHって言うんですけどね。

なんでOKかというと、簡単。追加グレードだもの。仮にこの形式が、例えば次世代モデルなんかで、ロードスターのスタンダードになったとします。そしたら、ボクも怒りますよ。それこそ、なんでねん!って。実際には、ロードスターらしいグレード(例えばいっちゃん下の5MTモデル)がちゃんとあって、より速く走りたい人向けのRSもあって、イージーに乗りたい人のためにはATもあって、そしてPRHでしょ?しかもグレードも選べるっていうし。嫌なら無視すればいい話なわけです。

ロードスターって日本でほとんど売れてないんですけど、PRHも専用のアシ持ってるし、他のグレードもみんなそう。それぞれに最適チューニングが施されているんです。カナダなんか3つしか仕様ないのに、日本の5倍は売れてるって言うから、キジマさん(ロードスター開発主査)の苦労が偲ばれる・・・(実際、上からは叱られたらしいです)。要するにロードスターは日本市場において、スポーツカーの親善大使なわけです。日本じゃスポーツカー、もう見知らぬ遠い国の名産みたいなもんですから。親善大使がちゃんといて、いろいろ教えてくんなきゃ、この先キョーミのキの字ももてないわけでして。

今回のリトラクタブルルーフモデル。はっきり言って、スポーツカーを買わない&買えないという言い訳を…、つまりネガティブ要素を、1つづつ消してはるんですね、キジマさん。これでも駄目やったら、もう日本人にスポーツカーはいらんのとちゃいますか?

ハードルーフの開閉は、1タッチ&12秒。むっちゃ早い。システムはCC化で有名なベブスト社製ですが、まあ、ほとんどキジマさんちでこねくりまわしたようなもんです。こだわりはトランクスペース。スペースをほとんど犠牲にせず、荷物を入れたままで何も気にせずに開閉できるハードルーフって初めてですね。

実際の乗り味はどうか。そりゃ締めてると上に重量感じるし、開けたら開けたで何となくクルマが細くなった印象も受けます。けど同時に乗り比べたりしない限り、ロードスターらしさはちゃんとある!そこがまずすごい。で、万が一、比較できたとしても、他のロードスターの動きが極めてモダンでキビキビしたものに感じるのに対し、PRHのそれは何となくクラシックなFR風で、それはそれでエエもんです。ボクなんかは好きですね、RSあたりより。クルマの性格上PRHに乗るなら6ATで楽しむのが正解でしょうが、5MTも6MTも悪くはなかったですね。特に5MT。なんか古いアルファロメオに乗っている感じがしました。

さてさて。硬いルーフの登場で、スポーツカー入門の選択肢がグーンと拡がったというわけですが、ロードスターのオススメはどれか?

オールマイティに使いたいなら、絶対PRHです。ただし、静粛性とかは布幌とあまり変わりません。防犯上の理由がでかいかな。いつでもどこでも走りを楽しむ、というロードスターの基本を体現しているのは、素のロードスター、5MT小さいタイヤモデルですね。これはもう、交差点を曲がるのも楽しい!腕があって、速く走りたいなら、RS6MT。GT的に乗って、たまにワインディングで楽しむというなら、VS6ATがいいでしょう。

さあ、もう逃げ場はありません。貴方もスポーツカーに乗ってみませんか?えっ2人乗りがそもそも駄目だって??あかんわな、そりゃ。

ムービー撮影には、本誌馬弓編集長と高山デスクにご協力いただきました。是非、ライバルの中古車とともにチェックしてみてください!

     

Photo Collection

写真:ちょっと重たくはなりました

ちょっと重たくはなりました

パッと見はロードスターです。車両重量はフツーのロードスターよりも37kg重たくなっていますが、この手のメタルルーフ仕様のモデルとしては軽いほうだと、マツダは説明しています

写真:デザインへのこだわり

デザインへのこだわり

現行ロードスターのデザインをまったく崩していません。ロールバー後ろに、リトラクタブルハードトップがコンパクトに収まっています。走りは、ちゃんとロードスターらしさがある!

写真:これは相当大変だったでしょう

これは相当大変だったでしょう

リトラクタブルハードトップは、2分割してロールバー後ろ部分にコンパクトに格納されます。オープンとクーペのいいとこ取りをしたい欲張りな人には最適なモデルと言えるでしょう

写真:トランクスペースは変わらず

トランクスペースは変わらず

このリトラクタブルハードトップの凄いところは、トランクのスペースにまったく支障を与えていないところ。これはほかの自動車メーカーも見習う点だろう。大体、狭くなるものだ

写真:インテリアは当然一緒です

インテリアは当然一緒です

リトラクタブルハードトップの操作は、インパネ上にあるハザードスイッチ両脇の「オープン」と「クローズ」ボタンで行います。開閉に要する時間は、ボタン操作で12秒という早業