京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
マツダロードスターに流行りのCC(クーペ&カブリオレ)仕様が追加されました。賛否両論あるでしょうね。ロードスターが好きやった人はほとんど、「そんなんいらんワ」って言うだろうし。ただでさえデカくなってきたのに、重いルーフまで付けてどーすんねん、みたいな。そういう硬派な意見(ボクは“ロードスター原理主義”って言うてます)も判らんことないんですが、僕は大賛成です。「パワーリトラクタブルハードトップ」=PRHって言うんですけどね。
なんでOKかというと、簡単。追加グレードだもの。仮にこの形式が、例えば次世代モデルなんかで、ロードスターのスタンダードになったとします。そしたら、ボクも怒りますよ。それこそ、なんでねん!って。実際には、ロードスターらしいグレード(例えばいっちゃん下の5MTモデル)がちゃんとあって、より速く走りたい人向けのRSもあって、イージーに乗りたい人のためにはATもあって、そしてPRHでしょ?しかもグレードも選べるっていうし。嫌なら無視すればいい話なわけです。
ロードスターって日本でほとんど売れてないんですけど、PRHも専用のアシ持ってるし、他のグレードもみんなそう。それぞれに最適チューニングが施されているんです。カナダなんか3つしか仕様ないのに、日本の5倍は売れてるって言うから、キジマさん(ロードスター開発主査)の苦労が偲ばれる・・・(実際、上からは叱られたらしいです)。要するにロードスターは日本市場において、スポーツカーの親善大使なわけです。日本じゃスポーツカー、もう見知らぬ遠い国の名産みたいなもんですから。親善大使がちゃんといて、いろいろ教えてくんなきゃ、この先キョーミのキの字ももてないわけでして。
今回のリトラクタブルルーフモデル。はっきり言って、スポーツカーを買わない&買えないという言い訳を…、つまりネガティブ要素を、1つづつ消してはるんですね、キジマさん。これでも駄目やったら、もう日本人にスポーツカーはいらんのとちゃいますか?
ハードルーフの開閉は、1タッチ&12秒。むっちゃ早い。システムはCC化で有名なベブスト社製ですが、まあ、ほとんどキジマさんちでこねくりまわしたようなもんです。こだわりはトランクスペース。スペースをほとんど犠牲にせず、荷物を入れたままで何も気にせずに開閉できるハードルーフって初めてですね。
実際の乗り味はどうか。そりゃ締めてると上に重量感じるし、開けたら開けたで何となくクルマが細くなった印象も受けます。けど同時に乗り比べたりしない限り、ロードスターらしさはちゃんとある!そこがまずすごい。で、万が一、比較できたとしても、他のロードスターの動きが極めてモダンでキビキビしたものに感じるのに対し、PRHのそれは何となくクラシックなFR風で、それはそれでエエもんです。ボクなんかは好きですね、RSあたりより。クルマの性格上PRHに乗るなら6ATで楽しむのが正解でしょうが、5MTも6MTも悪くはなかったですね。特に5MT。なんか古いアルファロメオに乗っている感じがしました。
さてさて。硬いルーフの登場で、スポーツカー入門の選択肢がグーンと拡がったというわけですが、ロードスターのオススメはどれか?
オールマイティに使いたいなら、絶対PRHです。ただし、静粛性とかは布幌とあまり変わりません。防犯上の理由がでかいかな。いつでもどこでも走りを楽しむ、というロードスターの基本を体現しているのは、素のロードスター、5MT小さいタイヤモデルですね。これはもう、交差点を曲がるのも楽しい!腕があって、速く走りたいなら、RS6MT。GT的に乗って、たまにワインディングで楽しむというなら、VS6ATがいいでしょう。
さあ、もう逃げ場はありません。貴方もスポーツカーに乗ってみませんか?えっ2人乗りがそもそも駄目だって??あかんわな、そりゃ。
ムービー撮影には、本誌馬弓編集長と高山デスクにご協力いただきました。是非、ライバルの中古車とともにチェックしてみてください!