京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
大ヒット作、206の後継(しばらくは併売ですって)となる207シリーズ。もうすでにヨーロッパでは本格的なデリバリーが始まっていて、最初の4ヵ月の実績では206の時を上回る人気なんだそう。
へえ、そんなにいいなら早く日本にも持ってきてよ!、と言いたいところですが、来春発表で本格デリバリーは5月から、って具合に遅れているには、ちゃんとした理由があったんですね。
ずばり。BMWと共同開発のガソリンパワーユニットを待っていたのです。今回、改めて試乗会が南フランスで行われたのも、そのBMWユニットを積んだ仕様がようやくデビューしたため。
ご存知のように、PSAプジョーシトロエングループの売れ線エンジンは断然ディーゼル。何てったって、クルマは経済性が第一という(ケチケチ)フランス人が主な商売相手なわけですから、ガソリンエンジンを単独で磨き上げることなんて、最早難しい状況にあったというわけです。そこで、BMWさん、たのんまっさ、と。
まあ、BMWにも得るところは少なからずあって、PSAがディーゼルエンジン開発で蓄積した小型車用ユニットの直噴やターボのノウハウですね。それにBMWの技術を組み合わせて、最強の小型車用ガソリンエンジンを作ろう、と。ちなみに207用の1.6Lエンジンは、新型ニューミニ用に使われています。見えてきたでしょ、戦略。
そんな207には新ガソリンエンジンモデル、1.6バルブトロニック付き自然吸気の110ps+4ATと1.6L直噴ツインスクロールターボの150ps+5MTがあるわけですが、将来的にはBMWとPSAの1.4Lや、ニューミニクーパーSに積む175psエンジンなんかも207に搭載される予定。175ps仕様なんかは、207RCって呼ぶのでしょうね。
日本にまず入ってくるのは、来年春ですけど、1.6Lの2種類と、PSAエンジンの1.4L(MT&AT)になる予定。今回試乗できたのは、1.6THP(ターボハイプレッシャー)と呼ばれる5MTモデルでした。ちなみに、なんで6MTじゃないの、って聞いたら、値段とリアルスポーツさ、って言われちゃいました。期待しとけ、ってことでしょうかね。
206に比べると随分、男性的な形になったと思いません?特に1.6L BMWエンジン搭載車は、ノーズが伸びていて格好いい!がっちりとしたフェンダーラインとか、個人的には大いにそそられます。
乗ってまず思うのが、こんなに立派になって、静かになって。206とは雲泥の差。かなりモダン。しかもメリハリとしなやかさを両立した走り味は、モダンなネコ足というべきもの。古くからのファンからは、硬すぎと言われちゃいそうですが、そんなこと聞いてたら今のパワー使いこなせませんって。
エンジンのフィールはね、何となくディーゼルみたい。悪い意味じゃなくて、フラットトルクで扱いやすいということ。3速の守備範囲が恐ろしく広くて、MTでもAT車のように走れますから。高速安定性も真っ当なレベルに。5速6000回転で210km/hぐらいいきますが、安定していましたね。これならちょっとした長距離ドライブにも使えそうです。
大きくなったけど、ボディのしっかり感やパワー、アシの作りこみで、ジャストサイズに思わせてくれる。そんな仕上がりになっていると思います。太いCピラーが、乗っててちょっと気になったぐらいかなあ。
あの吉田由美センセと同乗した模様は、動画でチェックできます。