京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
ダッヂがついに日本正規上陸。チャージャーを筆頭に、一挙4車種を投入するというから、超本気モードだね。
日本人のダッジイメージって、けっこういかついでかいアメリカンじゃないかな。芸能人に流行ったデュランゴとかラムとか(ちなみに、ダッジのエンブレムは羊=ラムです)。最近だとマグナム&チャージャーの300C兄弟車かな。あとは、バイバー。
何年か前に、西海岸のある街で、ダッジラムR/TトラックがバイパーGTSをトレーラーに載っけて引っ張っていたのを見た事がある。どっちもブルーに白いセンターラインが入っていてね。めちゃくちゃ格好良かった。ボクなんかは、あのイメージだ。
実はダッジ、最近になってクライスラー系の中でもグローバル展開を担う重要ブランドという位置づけになった。要するに、クライスラーの下、若くて逞しいアメリカンブランドを世界のブランドに育てようという魂胆。日本市場上陸もその一貫というわけだけど、欧州展開からちょっと遅れたのには理由がある。
ホントは去年にでも、世界戦略第一弾のキャリバーを輸入することはできたらしい。けれども、キャリバー1車種では、ダッジイメージを強く押し出すことはできないと日本側は踏んだ。ダッジらしいラインナップをどーんと送り出せるまで待て、と本国を説得したのだという。いい戦略だと思う。
そして、今、晴れて4モデルのダッジを我々は迎えることになったのだ。キャリバー、アヴェンジャー、ナイトロ、そしてチャージャーである。このうち、ヨーロッパ市場で主役となる前3台に、スペインはセビリアで乗ってきた。
日本市場で最も説得力のあるのが、ナイトロだと思う。いかついでっかいイメージそのまんまでしょ? 試乗したのは4Lで20インチを履くR/Tだったけど、アメリカンな走り味がしっかり残っていて、どこか懐かしくて大らかな感じだったな。乗り心地は悪いけど。スイッチ切り替えパートタイム4WDで悪路もばっちり。チェロキーが流行ったじゃない、昔。あの人気を再び、って可能性はある。
キャリバーも、雰囲気はあるね。実物を見ると意外に小さくて、欧州CセグメントつまりはVWゴルフクラスだと聞いて納得するわけだけど、はたして優秀なコンパクトSUVの多い日本で受け入れられるのか、どうか。狙い的には、日産デュアリス(キャシュキャイ)なんだろうけど、クロスオーバーって案外ウケないんだよな。
走りは可もなく不可もなく。ごくごく普通。少なくともゴルフクラスまでは達していない。それよりも、ラゲッジスペースが広いとか、機能性が高いとか、ミュージックゲートのような遊び心があるとか、そういうところでアピールしないと厳しい。
最後に、アヴェンジャー。クルマとしての完成度は3台中一番。特に足回りのデキが素晴らしい!しみじみといい乗り味だった。キャリバーが同じプラットフォームとは思えないぐらいだったね。チャージャーゆずりのスタイルも個性があるっちゃあるし。ちょっと寸詰まりな印象あるけど。
ただし、いくら中身がいいって言っても、今の日本に個性的なミドルクラスサルーンを受け入れるマーケットがあるのかどうか。そこんとこが疑問。サイズ的には、ティアナとかカムリとかがライバルなんだけど。
3台ともに共通して言えるのが、内外装のデザインテーマがちゃんと一貫していること。好き嫌いは別にして、ブランドはこうでなきゃ、と思う。日本人受けするかどうかは、また別問題だけどね。