筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

レクサスLS600hが日本の顔?!

Posted at Tue May 8 16:03:02 2007

新感覚の乗り物よろしく静かで不思議な加速を体感

第一印象は、「あったらしい!」。もとい、その前に感じたのは“重さ”&“重いステアリングフィール”だったけど、それ以上深く気にする間もなく、クルマはするするとオーバー200km/hの世界へ。圧倒的に静かで、シームレスな加速フィールには、新時代の乗り物という表現が一番似合う気がしますねえ。

4人乗りの豪勢なロングボディの後ろに乗ると特にそう。飛行機のビジネスクラスよろしくオットマンを引き出して、バックをめいっぱい倒して、指圧スイッチを押せば、もう身も心もぐったり、加速Gを感じることもなく、「運転手さん、いったい何キロで走っているの?」とこちらが気にするまで、250km/hでリミッターが利くまで、何事もなかったように加速するのですから。ベントレーみたいに後部席確認用の格好いいアナログメーター、付けて下さい!

後部座席に乗るなら、このクラス、最高かも知れませんよ。

394PSの5LV8+モーター+電気無段変速+トルセン4WDの実力をめいっぱい楽しみたい、なんて方には、少しだけマイナス情報を。重めのステアフィールは好き嫌いですが、軽めの460ほどじゃないにせよ、反応がリニアとは言えません。少しだけ違和感あるのが、逆にもどかしい。

ノーマルに比べて+300kgほどありますから、レーンチェンジや深めのコーナリングなどで、ノーズの動きが判りづらく、予測不能になることもあります。素直に楽しめるハンドリングではありません。

エンジン音も、それ以外がめっちゃ静かなもんですから、こもり気味で心地よいサウンドには聞こえない。静かさの弊害でしょうか。なんてったって、シートファンの音まで聞こえるのですから!

ロングなんかは特にそうですが、ブレーキも厳しい。ただでさえ、アクセルオフで空走気味なのに、利きはじめのフィールが頼りない。ハードにドライブすると、うわっと叫ぶほど止まらない印象でした。

その他、道路の継ぎ目などで、乗り越えるときは上手くショックを吸収しますが、そのあとのフォローがいま1つ。これは後席に乗っていてもたまに感じられましたね。

いずれにしても、やっぱり新しい乗り物として評価せんとあかんでしょう。レクサス開発陣の言い分は、「フォロワーにはならない!」。うん、12気筒やV8スーパーチャージャーなんかでは、真っ当に評価されないでしょうからねえ。

アメリカではもうこのクラス4WDが必須なので、ハイブリッドという記号性も加わって大丈夫でしょう。日本も、今までこのクラスの売り物がなかったというだけで、買えないわけじゃない。成功すると思います。

問題は、ヨーロッパ。古いパッケージに新しい動力源ということで、トランクが狭いなど致命的な弱点もあるんですが、ボクはヨーロッパってとこは自己主張や個性のあるものを、まずは受け入れ賞賛し評価すると思うんです。そういう意味ではアメリカのブランドやら日本の高級車やらようわからんかったレクサスが、これで1つの顔を持つ事 になると思いますね。

問題は、これからってことですよ。

     

Photo Collection

写真:日本よりも似合う?

日本よりも似合う?

ドイツの明るい日差しに照らされるレクサスLSは、日本で見かけるときよりも見映えがイイように感じます。アメリカでの成功は約束されたようなものですが、果たしてヨーロッパでは?

写真:パッと見はフツーのLS

パッと見はフツーのLS

ハイブリッドモデルとて、外観はほとんどフツーのLSと一緒。従来の日本車では考えられないほど、控えめです。塗装が綺麗だからか、見事なまでに太陽光を反射していますね

写真:ハイブリッドの見分け方

ハイブリッドの見分け方

派手にハイブリッドを主張することはしていません。レクサスエンブレムの縁に見られる薄いブルーのアウトラインこそが、ハイブリッドであることの証。フツーのレクサスではない、ということ

写真:芸術にも登場するレクサス

芸術にも登場するレクサス

いやはや、なんともコメントしづらいのですが、こんな風にLSがアート作品と化していました。漠然と未来を感じさせるのは、このメタリックな雰囲気でしょうか。どことなく京都の庭園みたい

写真:うーん威風堂々

うーん威風堂々

Cピラーに何だか怪しげな紋章まで入っていた、ロールスロイスファントム。LSのライバルはここまでのクラスではないにしろ、この手のユーザーもLSハイブリッドの登場は気にしているはず