京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
第一印象は、「あったらしい!」。もとい、その前に感じたのは“重さ”&“重いステアリングフィール”だったけど、それ以上深く気にする間もなく、クルマはするするとオーバー200km/hの世界へ。圧倒的に静かで、シームレスな加速フィールには、新時代の乗り物という表現が一番似合う気がしますねえ。
4人乗りの豪勢なロングボディの後ろに乗ると特にそう。飛行機のビジネスクラスよろしくオットマンを引き出して、バックをめいっぱい倒して、指圧スイッチを押せば、もう身も心もぐったり、加速Gを感じることもなく、「運転手さん、いったい何キロで走っているの?」とこちらが気にするまで、250km/hでリミッターが利くまで、何事もなかったように加速するのですから。ベントレーみたいに後部席確認用の格好いいアナログメーター、付けて下さい!
後部座席に乗るなら、このクラス、最高かも知れませんよ。
394PSの5LV8+モーター+電気無段変速+トルセン4WDの実力をめいっぱい楽しみたい、なんて方には、少しだけマイナス情報を。重めのステアフィールは好き嫌いですが、軽めの460ほどじゃないにせよ、反応がリニアとは言えません。少しだけ違和感あるのが、逆にもどかしい。
ノーマルに比べて+300kgほどありますから、レーンチェンジや深めのコーナリングなどで、ノーズの動きが判りづらく、予測不能になることもあります。素直に楽しめるハンドリングではありません。
エンジン音も、それ以外がめっちゃ静かなもんですから、こもり気味で心地よいサウンドには聞こえない。静かさの弊害でしょうか。なんてったって、シートファンの音まで聞こえるのですから!
ロングなんかは特にそうですが、ブレーキも厳しい。ただでさえ、アクセルオフで空走気味なのに、利きはじめのフィールが頼りない。ハードにドライブすると、うわっと叫ぶほど止まらない印象でした。
その他、道路の継ぎ目などで、乗り越えるときは上手くショックを吸収しますが、そのあとのフォローがいま1つ。これは後席に乗っていてもたまに感じられましたね。
いずれにしても、やっぱり新しい乗り物として評価せんとあかんでしょう。レクサス開発陣の言い分は、「フォロワーにはならない!」。うん、12気筒やV8スーパーチャージャーなんかでは、真っ当に評価されないでしょうからねえ。
アメリカではもうこのクラス4WDが必須なので、ハイブリッドという記号性も加わって大丈夫でしょう。日本も、今までこのクラスの売り物がなかったというだけで、買えないわけじゃない。成功すると思います。
問題は、ヨーロッパ。古いパッケージに新しい動力源ということで、トランクが狭いなど致命的な弱点もあるんですが、ボクはヨーロッパってとこは自己主張や個性のあるものを、まずは受け入れ賞賛し評価すると思うんです。そういう意味ではアメリカのブランドやら日本の高級車やらようわからんかったレクサスが、これで1つの顔を持つ事 になると思いますね。
問題は、これからってことですよ。