京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
欲しくさせてしまってから言うのも何だから、先に言っておきます。
マイチェン版カイエン、もう今年の分(‘08モデル)は売り切れ。1000台、あっという間やったらしい。どこかのディーラーに残っている可能性はあるけれど、ポルシェって基本的にディーラー在庫をさせないから、あればラッキー。色とか選べないだろうけど。欲しい人は、来年分を今からオーダーして下さい。でもって、それまでは旧型のUカーで我慢!
マイチェンのポイントは、フェイスリフトとエンジン、そしてPDDC(ポルシェ・ダイナミック・ドライビング・コントロール)。
顔カタチに関しては、新旧比較の写真をみてもらえば分かりますね。激しくつり目になり、バンパーデザインが前後とも変わった。それだけのことなんだけど、けっこう違う雰囲気でびっくり。特に後ろから見ると、フェンダーまで大きく変わった?と思ってしまうほど。実際には、膨らみを下方に移動しただけなんだけど。
次にエンジン。全部、直噴になりました。排気量も上げてパワーアップすると同時に、カタログ燃費も向上させています。3モデルとも、40から50PSのパワーアップ!特にV6が3.2Lから3.6Lになったのが大きいね。
PDDCは、いわゆるアクティブ制御のボディロールコントロールシステム。エアサス+PASMとセットですべてのモデルにオプション設定されています。ボディのロールを抑えることで、トラクションを最適化し、快適なドライブが楽しめるという寸法。
PDDC装着車に、乗った感じはどうだったか。500psになったターボに付いていたんだけれど、これがもう面白いぐらいにフラット。正確にいうとフラットなんだけど、フラットに無理矢理させているといった不快感が伴わない。だから凄い。
ロールコントロールというと、どうしても板のような不自然な動きが出て、乗ってる人が気持ち悪くなるものだけど、それがない。ないから、快適。快適だから制御の介入が気にならない。ほとんど分からない人も多いと思う。その辺が、ポルシェらしいですね。
ハンドリングも明らかに、自然でリニアで正確。500psを余分に感じないほど。なんでも、0.65Gまではきっちりロールを抑えこんでくれるんだそう。かなりのGでっせ。
低回転域のざらざらしたエンジンフィールや音が気になっただけで、あとは全く問題なし。クルマが以前よりも格段に小さくなった感じがしますから。速さは、昔から十分すぎたけど、今度もまた、当然のようにロケット加速。
気に入ったのは、カイエンV6。パワー不足が解消されて、実に軽快な走りをみせてくれます。385psになったV8のカイエンSには乗ってないので何とも言えませんが、290PSを得たV6でも十分じゃないか、という印象を受けましたね。
旧型に比べると、やや“釣り目”になった新型カイエン。そのほかの外観上の違いは、本当に探すのが難しい。旧型オーナーは新型を羨むことが少なく、新型オーナーは些細な違いに誇りを持てるということか
左側が新型で、右側が旧型。いずれもエントリーモデルである、“フツー”のカイエン。V6エンジンは排気量がアップして、最高出力290psになった。試乗したなかで一番、しっくりくるモデルだった
カイエンの0→100km/h加速は8.5秒、最高速度227km/h、カイエンSの0→100km/h加速は6.8秒、最高速度250km/h、そしてカイエンターボの0→100km/h加速は5.1秒、最高速度275km/hらしい