筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

スズキスイフトがマイナーチェンジ

Posted at Wed Jun 6 16:06:06 2007

エントリーモデルを絶賛したい?!

‘04年秋にデビューしたこのコンパクトカーは、今でもコンスタントに月間5000台を売っています。欧州Bセグメント相当ですから、ヴィッツやフィットのライバルというわけで、そのへんと比べると心もとない数字ですけれど、初年度より2年目の方がたくさん売れたという事実や、あのスズキの小型車が継続的に売れるという現実には、驚いたほうがいいと思いますね。言い換えれば、スイフトってそれだけ底力のあるクルマだということ。

やっぱり、スズキってよく考えているんですよ。ダイハツとの不毛な台数争いには自ら降りた気配を見せつつも、その実日産なんかにOEM供給しているモデルを併せりゃ実質ナンバー1。その上、スイフトという小型車をヒットさせることで、旧来のイメージからも脱却しつつある。今、もっとも注目すべきメーカーの1つであることは間違いありません。

今回、初のマイナーチェンジとなったわけですが、ご覧の通り、ありがちなお化粧直しはほとんど見当たりません。売れていたからでしょう。見た感じの雰囲気は「え?変わったの?」。よくよく見れば、前後のバンパーデザインやターンランプの入ったミラー、マルチリフレクターの新デザインテールランプなど、細かな変更はあります。

マイチェンのポイントは1つに絞っていいでしょう。新1.2Lエンジン+CVTですね。MTや4WDは従来の1.3Lままで、1.5Lや1.6Lスポーツも健在ですが、売れ線グレードの2ペダルモデルだけ、パワートレインがそっくり新しくなったというわけです。

狙いは、ずばり、燃費。このクラスで燃費がいいと思われるためには、少なくともカタログ燃費(10・15モード)に「20km/L」という数字が踊っている必要があります。実際、スイフトのカタログには20.5km/Lとありますから!ほかのクルマよりも100cc少なくてもパワースペックが見劣りしないという前提のもと、CVTとの組み合わせを最初から考慮した新エンジンとしました。燃費性能は約20%の向上をみています。

1.2Lという排気量も、各国の税制に照らし合わせた結果でもあるらしい。今のところ日本市場のみですが、グローバルな展開は必至です。

パワートレイン系で約20kgの減量もできたということで、コンセプトを含め、なかなか優れたマイナーチェンジだと言えると思います。肝心の乗り味は、どうだったかというと・・・。

峠道でフルスロットル、なんてときのCVTに独特なうなりを除けば、パフォーマンス的な不満はほとんどありません。静粛性にも優れていますし、心持ちフロントの動きにもきびきび感が増しました。ベースのクルマが優れているからでしょう、CVTになってもしみじみいいと思えるクルマであることに変わりはありません。

1ー2速をクロスレシオに、ファイナルをローギア度に変更したスポーツも、はっきりとシャープになったと思える加速フィールでした。キビキビ度は確実に向上しています。ESPも標準になって、いっそう思いっきり楽しめるクルマになったと思いますね。

スイフトは日本車の中でも最も“真面目で出来のいい”クルマの1つ。こういうクルマに乗った人が、ステップアップしながら日本の自動車産業を支えていくんだと思います。軽自動車では、ちょっとその大役は果たせません。

     

Photo Collection

写真:シンプルなものこそ最良であれ

シンプルなものこそ最良であれ

注目株は一見、何の変哲もないエントリーモデルの1.2L車。フロントバンパーの意匠が変更されたことに気付けば、アナタはスズキのセールスマンに向いています(笑)

写真:世界市場を視野に入れている

世界市場を視野に入れている

1.2Lという排気量は、世界の自動車税制に対応している。これは明らかに戦略的。月間5000台が日本で売れるのだから、世界の需要はもっとあるはず。楽しみです

写真:あくまでシンプル

あくまでシンプル

質実剛健という言葉が一番似合うクルマになったかもしれない。ダッシュボード一体型に見えるオーディオが特徴的。CVTは多少唸るが、まったく問題なく意外に走る

写真:無駄なカバーはありません

無駄なカバーはありません

直列4気筒1.2Lエンジンは最高出力90ps/6000rpm、最大トルク12.0kg−Nm/4400rpmを誇る。こんな小さなエンジンでも、驚くほどキビキビした走りを満喫できる

写真:最強モデルは最高に楽しい

最強モデルは最高に楽しい

ベーシックモデルとは真逆の位置にいる、スイフトスポーツもマイナーチェンジ。こちらはちょこっとデザインが変わったくらい。国産車有数の楽しい走りを味わうことができる