京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
デュアリスが、まるで掘り出し物を見つけたように“いいクルマ”だったので、同じプラットホームを使う新型エクストレイルにも大いに期待していたんですよね。
結論から言うと、こちらの予想以上に応えてくれました。
本題に入る前に驚いたことを1つ、先に。それはエクストレイルに対するユーザーの意識(ひいてはメーカーが想定するユーザー層)が、日欧で著しく違うこと。まあ日本で使う人にとってみれば、ヨーロッパの事情なんて知ったこっちゃないわけで、それを理由にあーだこーだ言われてもやるせないだけですが、とはいえちょっと面白かったんで。
ヨーロッパ市場における日産のイメージって、マイクラ(和名マーチ)に代表されるコンパクトカーと、エクストレイルやパスファインダーに代表される4WDイメージがとっても強いってことは、前にキャシュカイのときにも書いたと思う。そのイメージを足して2で割ったんが、デュアリスだと。
それでね、まあ4WDイメージが日本人の想像以上に強くて、セールスポイントにもなっているわけだけど、それってエクストレイルなんかがフツウの人に売れているっていう証拠なわけですよ。事実、エクストレイルは成功したファミリィカーだ、ってブリーフィングでは言われていた。
結果的に日産が当初予想していた数字をはるかに上回る台数がヨーロッパではけて、エクストレイルにとっては最大のマーケットになったんですね。しかもその7割が非日産ユーザーからの乗り換えで、CセグメントハッチやDセグメントセダンからの乗り換えが多かったらしいね、かなりイメージ違うでしょ?
ってなわけで、スタイルはキープコンセプト。インテリアの質感を上げて、後席の乗り心地を含む居住性の向上、そして荷物をもっと積めるように、なんて欧州の要望がモデルチェンジの課題になったというわけです。
だから旧型のように、使用済みの汚れギアをどばーっと放り込んでガツーンと乗り倒すっていうイメージがほとんどありません、新型には。それがええか悪いかはユーザーの考え方次第で、ボクなんかは素直にファミリィカーとして捉えることができましたけど、従来のカジュアルな使い勝手がたまらんって人にとってはある種の裏切りにみえるでしょうね。“エクストレイルよ、お前もか…”って。
前置きが長くなったけど、本題。さっき挙げた課題をすべてクリアしている、というのが乗り終えた感想かな。特に後席の乗り心地がとても真っ当になった。全体的には、あの“良かった”デュアリスより、乗り心地はいいと思いますよ。
ボクの出身大学の、しかも同じ学部の、そして同じ学科の後輩がやってるから、っていうわけじゃないけど、アシの動きが一番良かったし、印象に残ったね。ほんとによく動いて路面を放さない感じだから、オンでもオフでも不快にならないし、どんな速度域でも安心して運転できる。クロカンタイヤを履いたクルマって、下半身だけどたばたするもんだけど、それがないのがいいんだなあ。
圧巻は、オフロード。新しい4WDシステムや電子デバイスの数々による走破性の高さももちろんだけど、グラベルなんかで驚いたのが乗り心地だった。内臓に響くような突き上げがほとんどないから、メシ後すぐのオフロードでも大丈夫でしたよ。
褒めすぎ? そうやね、1つだけ文句をつけとくと、欧州仕様のディーゼルターボ+6ATがベストバイに思えたってことかな!日本にも導入されたし。