京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
正直、ここまでよく出来ているとは思いませんでした。もうちょっとショボいんじゃないか、と。現地価格1万ユーロから、ってことを考えると、相当に頑張ったんだと思いますよ。特にデザインと質感において。
外観に関しては、最近のフィアットの中では一番の仕上がりじゃないでしょうか。可愛いデザインはともかく、1つ1つのパーツやディテールに手抜きがないというか。メッキモールなどのお飾りパーツは、言いようによっては手抜きの権化なんですけど、モノ自体はそれほど手抜きに見えない。
要するに、積極的に選んでもいいかな、と。ストライプステッカーとかもそうですね。シャレてるし、センスもいい。このあたり、アニエッリ家のエルカーン兄弟が率先して展開しているFIATファッションブランド戦略の影響が、いい具合に出ているんだろうねえ。
ちなみに、フィアットグループの会長はモンテゼーモロさんで、副会長が兄ジョン・エルカーン、マーケティング関係の責任者が弟ラポ・エルカーン。
さてさて、新型500の乗り味ですが、外観から想像する以上にマトモ、というひと言に尽きますな。ベースがパンダなんで、それ以上にも以下にもならないないことを願っていたわけですが、その通りになった。トレッドが広がった分、パンダよりも落ち着きのある走りを見せますけど、基本的にはごくごくフツー、誰もが違和感なく乗れるコンパクトカーに仕上がっています。
ガソリンエンジンには1.2Lと1.4Lがありますが、パンダと違って1.2Lじゃちょっと力不足でしたね。MTを駆使しなきゃ、きびきびとは走らない。まあ、そこがイタリア車らしいって好む人もおられるでしょうが。
1. 4Lの方なら、まだオサボリしながらドライブできます。3速入れっぱなしで、タクシードライバー風のストール寸前手抜き運転とか。100psなんで踏めば、それなりに走りますしね。BMWミニのように、走りが楽しい!って性質じゃありませんが。
このクルマが真面目なコンパクトカーであることは、例えばエアバッグをちゃんと7つ装備していることとか、安全装備や環境対策にも言い訳がないことが、示しています。フィアットブランドのボス、デ・メオさんは「新生フィアットのマニフェストだぁ」とFIATブルゾン着て叫んでおられました。
イタリア人が早くも大熱狂の新型500。日本へは来年早々にも導入される予定です。値段が注目ですよね。BMWミニとライバル、なんて思われてますけど、実際には格下。だから、価格設定も一段下で、ミニはいいけどちょっと高いなあ、って思っていた人が飛びつける値段になれば、ヒットするでしょうね。
ただ、年産12万台ぽっちですって。ポーランド工場のパンダラインで造るから。今、パンダのヨンク、売れてますから。イタリアでは大ヒットでしょうから、果たして、日本に回す分をどれだけ確保できるか。その数の少なさを見越して、値段を高く設定したりすると、ダメだと思います。BMWミニのように、息の長いクルマにしたければ、ね。
東京モーターショーにはアバルトがやってくるそうですよ。フランクフルトでデビューするのでしょう。それも楽しみ。175psとか、思い切って200psとか、そんな高性能バージョンだったら、アバルトだけクーパー並のお値段付けてもいいと思いますが。
詳しくはムービーをチェックしてみてください。