筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

ようやく登場したフィアット500

Posted at Tue Aug 7 17:39:20 2007

イタリア人大熱狂のレトロモデル復活

正直、ここまでよく出来ているとは思いませんでした。もうちょっとショボいんじゃないか、と。現地価格1万ユーロから、ってことを考えると、相当に頑張ったんだと思いますよ。特にデザインと質感において。

外観に関しては、最近のフィアットの中では一番の仕上がりじゃないでしょうか。可愛いデザインはともかく、1つ1つのパーツやディテールに手抜きがないというか。メッキモールなどのお飾りパーツは、言いようによっては手抜きの権化なんですけど、モノ自体はそれほど手抜きに見えない。

要するに、積極的に選んでもいいかな、と。ストライプステッカーとかもそうですね。シャレてるし、センスもいい。このあたり、アニエッリ家のエルカーン兄弟が率先して展開しているFIATファッションブランド戦略の影響が、いい具合に出ているんだろうねえ。

ちなみに、フィアットグループの会長はモンテゼーモロさんで、副会長が兄ジョン・エルカーン、マーケティング関係の責任者が弟ラポ・エルカーン。

さてさて、新型500の乗り味ですが、外観から想像する以上にマトモ、というひと言に尽きますな。ベースがパンダなんで、それ以上にも以下にもならないないことを願っていたわけですが、その通りになった。トレッドが広がった分、パンダよりも落ち着きのある走りを見せますけど、基本的にはごくごくフツー、誰もが違和感なく乗れるコンパクトカーに仕上がっています。

ガソリンエンジンには1.2Lと1.4Lがありますが、パンダと違って1.2Lじゃちょっと力不足でしたね。MTを駆使しなきゃ、きびきびとは走らない。まあ、そこがイタリア車らしいって好む人もおられるでしょうが。

1. 4Lの方なら、まだオサボリしながらドライブできます。3速入れっぱなしで、タクシードライバー風のストール寸前手抜き運転とか。100psなんで踏めば、それなりに走りますしね。BMWミニのように、走りが楽しい!って性質じゃありませんが。

このクルマが真面目なコンパクトカーであることは、例えばエアバッグをちゃんと7つ装備していることとか、安全装備や環境対策にも言い訳がないことが、示しています。フィアットブランドのボス、デ・メオさんは「新生フィアットのマニフェストだぁ」とFIATブルゾン着て叫んでおられました。

イタリア人が早くも大熱狂の新型500。日本へは来年早々にも導入される予定です。値段が注目ですよね。BMWミニとライバル、なんて思われてますけど、実際には格下。だから、価格設定も一段下で、ミニはいいけどちょっと高いなあ、って思っていた人が飛びつける値段になれば、ヒットするでしょうね。

ただ、年産12万台ぽっちですって。ポーランド工場のパンダラインで造るから。今、パンダのヨンク、売れてますから。イタリアでは大ヒットでしょうから、果たして、日本に回す分をどれだけ確保できるか。その数の少なさを見越して、値段を高く設定したりすると、ダメだと思います。BMWミニのように、息の長いクルマにしたければ、ね。

東京モーターショーにはアバルトがやってくるそうですよ。フランクフルトでデビューするのでしょう。それも楽しみ。175psとか、思い切って200psとか、そんな高性能バージョンだったら、アバルトだけクーパー並のお値段付けてもいいと思いますが。

詳しくはムービーをチェックしてみてください。

     

Photo Collection

写真:滅多にやらないツーショット

滅多にやらないツーショット

発表会の会場で、いつもならクルマだけ撮影します。今回ばかりは記念撮影してもらいました。メッキパーツの質感が高いことは、この写真からも伝わってきませんか?

写真:スタジアムでお披露目される前

スタジアムでお披露目される前

実際の発表会では、このスタジアムが満席になるほどの観衆で埋め尽くされました。真っ黒なフィアット500も意外にカッコいい。復刻デザインって難しいのに頑張りましたね

写真:文句のつけどころなし

文句のつけどころなし

インテリアは旧型のシンプルな雰囲気をしっかり継承しつつ、現代のクルマらしく便利な装備をちゃんと備えています。こればっかりはデザイナーのセンスに左右されるんでしょう

写真:マンチキチンの発表会場

マンチキチンの発表会場

これほどまでに報道陣が詰め掛ける発表会は見たことがないくらいです。ショーも凄かったし、いやはや国をあげての一大イベントな雰囲気すら漂っていました

写真:フィアット500愛好者も歓喜

フィアット500愛好者も歓喜

イタリア全土から…、もしかしたらヨーロッパ全土からフィアット500愛好者が集ったのではないでしょうか。こんな風に愛されるクルマって幸せですよね。もっとクルマ好きでいきましょう、皆さん