京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。
大型SUVというと、最近じゃ輸入モノが幅を効かせていますね。イギリスのアレとか、ドイツのソレとか、アメリカのあんなのまでを思い浮かべてしまいがちだけど・・・。世界の人々、特に風土気候が厳しい地域で日々ハードに荷物満載で道なき道を行きたいというような方々が、本当に信頼しているのが今回試乗したトヨタランドクルザー(以下、ランクル)なんだってさ。
荷物をめいっぱい積んだ時の走破性能や、そもそも沢山積めるという積載能力、さらにはどんな酷使にも絶えうる耐久性に、万が一壊れたときにでも修繕が容易で部品調達も簡単・・・、このあたりを第一に考えると、いずれも厳しい環境下では生死を決する項目だけどさ、もうランクル以外の選択肢はないみたです。
ひょっとしたら、世界で最も貢献している日本車かもしれないな。
文字通り世界中が頼りにするクルマだけに、今回のフルモデルチェンジでも、その目指す方向性にこれまでとの寸分の狂いも認められません。カタチを見ても判りますから。どこからどう見てもランクルだぞ、って。
だから、オンロードに色気を出してサマータイヤを履いてみたり、生半可な高級路線を歩んでみたり、などという軟派路線は微塵もありません。ランクルはランクルのまま進化したり。そんな感じです。
意地悪に言うと、見てフツウに乗ってみる限りは、これといって購買欲の沸くこと無い、フツーにいいクロカンなわけ。見た瞬間に“欲しい欲しい、走りなんて二の次だもーん”となるわけじゃない。まあ、新規ユーザーなんてそんなにいらんのだな。これだけの世界基準機能車になってしまうとね。
さて。やっぱり注目すべきはオフロード性能だね。否、性能がいいのは“ランクル”と名乗った時点で決まっていると言っていいから、機能の充実とでも言っておこう。オフロード用のクルコンと言うべき世界初の「クロールコントロール」が凄かった。
説明しておくと、「エンジンとブレーキを自動制御して極低速を維持し、ホイールスピンやロックを最小限に抑え、優れた車両安定性を実現」ってことらしい。車速は1―5km/h。3段階の切り替えができて、5キロを超えると解除(ブレーキ機能のみイキ)。要するに、岩場や泥濘路面など、こりゃしんどそうだわ、プロに代わりたいぜって場面に出くわしたら、自分のアシでアクセルやブレーキを操作することを諦めてコレに頼りなさい、という機能。そうすればハンドル操作に専念できるし、クルマへのダメージも少なくてすみ、パワートレインを痛めることもないから、結果的に耐久性も上がりますよ、と。
実際、がつんがつんと常時ブレーキを効かせながらの走行で、機械に無理させているような気がしてしまうのだけれど、そんなことはないと教わって、ならばハンドル操作に集中して走ってみれば。これが凄いのなんのって!どんなにクルマが滑っても、ハンドルを動かしていれさえすれば、クルマが勝手にトラクションのかかる位置を探し当ててく れる。だから、滑っても滑っても、ドライバーはとにかくハンドルにすがっていればいいわけで。凄いな。
街乗りも、なかなかいい乗り味でしたよ。フレーム構造であることがよく判る瞬間もありますけど、それが不快じゃない。余計なロール残りやズレもないしね。あっぱれ!
とにかく、難しいことは抜きにして、世界に誇るクロカンモデルをいっぺん愛車にしてみたいものだと、背の低いクルマ好きのボクでさえ思ってしまうほどに、いいクルマだったよ。動画もぜひチェックしてみてください。
従来比でねじり剛性は1.4倍、曲げ剛性は1.2倍と高まった。フロントにはハイマウント・ダブルウィッシュボーンを、リアには4リンク式マルチリンク式サスペンションを採用している
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