筆者プロフィール

西川 淳 Jun Nishikawa
1965年式
生産地:日本国 奈良県
型式:unknown

京都大学工学部精密機械学科卒業。自動車エンジニアを目指すべく、大学では機械工学を学ぶが何を間違ったか(株)リクルート入社。カーセンサーの編集に携わる。カーセンサー関東版副編集長を経て、現在カーセンサー編集アドバイザーを務める。フリーランスのライターとしても活動中。ほぼすべての新型車試乗をこなす。


西川淳の「試乗会でこんにちは!」

アルファロメオ8Cコンペティツィオーネ

Posted at Fri Nov 2 16:48:37 2007

500台限定のマシン、発売前に試乗!

乗りもしないでオーダーした身としては、評論家稼業なんかはさておき、ホッとしたね。とても完成度の高いFRスポーツカーで、GTカーとしても大満足。フェラーリ599をひと回り小さくしたクルマ、という感じ。

カタチはね、50年代には確立されていた美しいスポーツカーシルエットをモダンに仕立てたもんやから、誰が見ても格好いいでしょ。今回、お外で初めてみたわけだけど、黒よりもロッソ8Cという赤メタがめちゃくちゃきれいやった。テーマカラーやもんね、似合って当たり前か。

バロッコのテストコースで、朝からグランデプントアバルト(前回の記事)に乗って、8Cのご登場を待っていたんだけど、2台の8Cがエグゾーストノートも勇ましく我々取材陣の前に現れたときには、正に「スターのお出まし」って感じやったよ。取材陣が色めき立っていたもの。「うほぅ」とか「ふぉおお」とか、およそ人間らしくないうめき声を発してね。

スチールシャシー、アルミパーツ、フェラーリ/マセラティV8エンジン、フルカーボンボディ&ボディパネルっていう、おそろしく手間のかかったクルマやから、製造の工程もかなり煩雑。あっちいったりこっちいったり、結局最終アッセンブリはモデナのマセラティ工場。オーナーはそこで引き取ることもできるんだって。やってみたいよね。

カーボンボディにカーボンパネルっていうから、もっとぎすぎすした乗り味かなって思っていたんだけど、どうしてどうして、かなりしなやか&おしとやか。上屋が軽い分、腰から下がどっしりとしていて、軽く流しての乗り心地も悪くない。全体的に操作系が“少し重いかな”と思ったけれど、それも最近のクルマが総じて軽いからだろうし。

2ペダルセミATだから、発進や微速域でのマナーが気になるところだけど、それも4.7L V8エンジンがものを言うって感じて、太いトルクが“ぎくしゃく”する領域をきっちりカバーしてくれている。フェラーリV8モデルほど、神経質にならなくて良さそう。

スポーツモードにすると、サウンドががらりと変わる。排気系のフラップが開くやつね。フェラーリオーナーがよく使う手。開けると、かなり勇ましい。FRだから管の長いぶんフェラーリよりも重奏的で、マセラティより暴力的な音だ。

パワー感は思ったほどじゃなかった。450psと聞くと、もっとガツーンとくるように思うのだけれど、おそろしくスムースに回って、急激に盛り上がることもない。かといって、大排気量エンジンのように強大なトルクを発揮するわけでもないから、まあ、当然か。あと、やっぱりFRだからね。ミッドシップのフェラーリとは違う。

それでも、0→100km/h加速4.2秒は速い。でも絶対的な加速を楽しむというよりも、そのプロセスを体全体で感じながら楽しむというスポーツカーやろね。日産GT−Rのアンチテーゼになると思う、これからは。

ゆらりとしたコーナリングもそう。ドライバーに持ち時間をたっぷり与えて、楽しむ余裕をくれる。それでいて素直なハンドリング特性をもっているから、ドライバーのレベルに応じて“曲がる楽しみ”を満喫できるというわけ。

マセラティクーペに毛が生えた程度、じゃなくて良かった。フェラーリとも、マセラティとも違う。アストンV8よりも刺激的。いやあ、注文して良かった、良かった。

動画ではテストドライバーが運転する模様をお届けします。
ぜひチェックしてみてください!

     

Photo Collection

写真:ちょっとメタリック入り

ちょっとメタリック入り

黒のボディカラーをまとった8Cもいたが、ボディの美しいプレスラインが消えてしまう。やっぱりテーマカラーであるロッソ8Cという色が一番似合っていた。ちなみに自分のクルマの色はまだ未定

写真:美しいリアフェンダー周りの処理

美しいリアフェンダー周りの処理

風が流れることをイメージさせるリアフェンダー周りのデザインは、見ているとため息しか出ない。惚れ惚れさせられるのはそれだけではなく、4本出しエキゾーストが奏でるサウンドもバッチリ!

写真:マセラティ&フェラーリ技術注入

マセラティ&フェラーリ技術注入

アルファロメオのエンブレムが入ったエンジン。よくよく見ると、現行モデルのマセラティ車に搭載されているエンジンとそっくり。まぁ共同開発だから、同じなのだろう。最高出力は450ps!

写真:セクシーさよりも機能追及?

セクシーさよりも機能追及?

ボタンやダイアルが整然と並ぶインパネは、量産モデルのアルファロメオよりも“機能性”が追い求められているように感じる。スピードメーターは330km/hまで刻まれ、レッドラインは8000rpmから

写真:ホールド性抜群のバケットシート

ホールド性抜群のバケットシート

アルファロメオは、本革の処理が本当に上手い。シート形状はほかのスポーツカーとあまり変わらないが、エンボス加工やステッチ、はたまたエンブレムの入れ方などとにかくカッコいい!